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秋葉原で働くエンジニアなブログ

5/13-15 Startup Weekend Tokyo Anime に参加してきました!・・ので感想と今後を考えるの巻

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5月13日(金)~15日(日)にスタートアップウィークエンド東京Animeに参加してきました。

【日本初】Startup Weekend Tokyo Anime @日本マイクロソフト 20160513-15 | Startup Weekend Tokyo

主旨としてはアニメ関連のサービスを作ってスタートアップしよう!という感じです。 

 

 

時間がない人向けに結論を4行で書くと

・エンジニアはプロジェクト開発に必要な、MVPやピッチなどが体験できるので1回は参加すべき

・初日のピッチがチーム選考に残るかで全てが決まる。参加するならピッチを事前に練っておこう

・賞金なし、優勝しても起業できる保証はない

・なので優勝より、仲間さがし、審査員・アドバイザーとの繋がりが得られるのがメリット

 

 

という感じでした。

では詳細に感想を書いていきます。

 

まずスタートアップウィークエンドの説明から

スタートアップウィークエンドについて | Startup Weekend Japan

“スタートアップウィークエンド(SW)”は、金曜夜から日曜夜まで54時間かけて開催される、「スタートアップ体験イベント」です。週末だけで参加者は、アイディアをカタチにするための方法論を学び、スタートアップをリアルに経験することができます。
わたしたちは、スタートアップが最初の一歩を踏み出すためのプラットフォームを目指しており、開発者やビジネスマネージャー、アントレプレナー、デザイナー、マーケター等、さまざまなスキルの人々を結びつけ、アイディアが現実になることを願ってます。

“スタートアップウィークエンド”の流れ

SWは金曜の夜、みんながアイディアを発表するピッチから始まります。そしてハスラー・ハッカー・デザイナーでチームを組み、日曜の午後までに、ユーザーエクスペリエンスに沿った必要最小限のビジネスモデルを一気に作り上げます。ハスラーはマネジメントとビジネスモデルの検証を、ハッカーは機能の開発を、デザイナーは使いやすいデザインを担当します。ともに顧客開発に臨みます。
土曜の午後には、起業家や専門家によるコーチングを受けることができます。日曜夕方に審査員の前でチーム毎にプレゼンを行い、ビジネスモデル/顧客検証/ユーザーエクスペリエンスデザイン/プロダクト達成度を軸に、審査が行われます。

 

私のSW的な基本スペック

  • SW(スタートアップウィークエンド)は初参加
  • 秋葉原IT戦略研究所というサークルメンバー3名で参加(3名とも初参加)
  • 3名で熱海に合宿にいき、SWの過去の動画や資料を見て事前学習済
  • 3名で事前にピッチの打ち合わせ、ピッチの投票割合の作戦実施済
  • エンジニアだがアニメ大好きなのでアイディアマン(ハスラー)として参加

 

5/13  1日目 金曜日 19:00~22:00

開始時間

まず、19時開始なので普通の会社であれば早退、午後半休が必要になります。

スタートアップウィークエンド参加が会社にとってなんらかのメリットとして認められれば勤務扱いの早退になるはず(たぶん)

 

役割ぎめ

会場の入り口で、自分が「ハスラー」or「デザイナー」or「ハッカー」なのかの役割を明記する名札を渡されます。

ハスラーは街頭インタビューや、アンケートなどで、仮説(アイデア)を検証する為のデータを集める人、リーンスタートアップで言う測る(measure)を主に担当する人の事です。

 

 

これはあくまで仲間集めの目安になります。

 

 

懇親会

会場につくと1時間程度参加者同士で懇親会が行われます。

一人で参加してる人はここでボッチになるとほぼゲーム終了になります。

基本的にこの時間で仲間をつくったり意見を交換したりします。

 

開始 20:00~ぐらい

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SWのファシリテーターの方の紹介

かなり元気のある方です。

 

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このパワポがかなり重要で、スタートアップウィークエンド経由で起業した会社の一覧になります。

そしてもう一つ重要なのが、このなかでSWで優勝したチームは1つという事実。

その他は2位以下だったらしいです。

これは1位が必ずしも起業するとは限らない、むしろ負けた2位以降が負けた悔しさをバネに起業している事を意味しています。

 

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スポンサーの方々

 

軽く一度ピッチの説明と練習がありいよいよ本番になります。

ピッチとは投資家に対するプレゼンで1枚の紙で短い時間(たとえば1分)で事業内容を説明するものです。

 

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http://www.slideshare.net/eno_eno/ss-34419415

 

 

いきなりなので会場にきて「アニメに関するサービスのピッチを10分で考えましょう」とならなかったのが以外でした。

事前に考えてなかったら死んでました。

 ピッチで発表できるのは「まだ一行もコードを書いていないサービス」

つまり事前に作ってあったりするのはNGです。

 

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1分間でしゃべりきります

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参加者60名程度のうち半分の30名ぐらいの方がピッチに応募しました。

意外と少ない印象です。

ただし30人のピッチの内容を聞いていると印象に残る人、残らない人の差が歴然としてきます。

この後の投票も考えて人の記憶に残るピッチを心がける必要があります。

 

 

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これは私のピッチの紙

はっきりいって何かわかりません・・・。

これがのちに「せいまち」というチームになります。

 

1分間のピッチだと全てを語りきれない、全チーム覚えきれないという救済策として各ピッチの人には質問タイムが設けられますがやはり、初回のピッチでまず興味もってもらわないと人が集まりません。

 

そして運命の投票タイムです。

参加者全員(60名程度)に3票の付箋が渡され、30程度のピッチの中から8チーム程度に絞込が行われます。

ここは重要なルールなので整理しておきます。

  • 自分に3票いれてもよい
  • 投票が多いチームから上位8ピッチ(チームに絞られ)選ばれなかったピッチの人は誰かのチームに参加
  • そもそもピッチをしていない人も誰かのチームに参加(投票していないとこでも可
  • ピッチの投票に落ちても3名の仲間を集められたらチームとして開発が可能

 

 

 

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投票が高いピッチだけ残りチームが確定し、決まったチームに残りの人は参加します。

実は投票数が多いからといってチームに人がこないこともあるのでこの後のチーム作りの呼びかけも選ばれたピッチの人が頑張る必要があります。

 

初日はチームが出来た段階で終了。

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明日以降のスケジュールは各チームで責任をもって開発します。

なのでSWの会場開始時間~会場終了時間にとらわれることなく、カフェで開発してもいいし、こなくてもいいのです。

 

 

 2日目

ハッカソンにも言えることですが初回の朝は需要です。

早くこないといけません、なぜなら場所取りがあるからです。

早くこないとヘボいホワイトボードだったり狭い机になったりします。

私のチームは早起きが苦手な人が多かったのでヘボいホワイトボードになりました。

 

2日目からは開発なのでSW運営が用意しているイベントはあまりありません。

ただし朝に最終日のプレゼンの審査基準が発表されました。

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・そのサービスは検証されているか(想定されるユーザーに解決しようとしている問題が実際にあるかアンケートしたか)

・プロダクトが実行可能な状態で作られているか、使いやすいか。プロダクトは実際にユーザーに使ってもらい感想を得たか

・ビジネスモデルがしっかりしているか

 

が大きなポイントになります。

とにかく「ユーザーへの調査」が重要だと私は認識しました。

 

後は今回はアニメがテーマという事もあり、アニメ関係の仕事をされている方からのアドバイスもいただけました。

アドバイザーの方も抽選になるので気合が必要です。

 

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厳しいつっこみなども入りそれまで作っていたサービスモデルを全部崩して作りなおしたりするチームもあったようです。

 

 

 これからは私のチーム「せいまち」のスケジュールの流れになります。

作るプロダクトはアニメの聖地巡礼のマッチングサービス(聖地巡礼したい人どおしで企画をつのって行く)です。

午前

まず、チームメンバー6名の役割と2日間のスケジュールを決めます。

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ハッカー3名、ハスラー3名のチームなのでデザイン的には不安を抱えたチームでした。

 

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まずユーザーストーリーマッピングを作ります

 

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 そこから必要な最小限の機能(MVP: Minimal Viable Product)を選別し、不要な機能を作りこまないようにします。

得に作れるのは2日間なのでここの選別が重要です。

MVPでかつプレゼンに勝つためのインパクトのあるプロダクト。

それが求められます。

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まず午前、遅くとも午後14時あたりにMVPを一度決めておいたほうがいいと思います。

なぜなら、ユーザーアンケート調査のため外出するメンバーが出てくるのでそのメンバーとの意識合わせもかねて早めにやっておくといいです。(結局はそのあとMVPに変更があったので、外出メンバーとの認識の同期に手間取りましたが・・)

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作成したストーリーを元に「何を作ればいいか」を画面単位で書き出します。

今回はアプリをターゲットにしました。

 

MVPを作成し、何をつくればいいか。

それが確定したのが土曜日の20時です。。。

ただし私達のチームは恐らくはやく決まったほうで土曜日は議論で終わったチームもあったようです。

 

2日目 20時から製造開始

アプリ作成はプロに任せ私は画面設計書を作り始めました

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2日目 22時に会場閉鎖、その後ファミレスで24時ぐらいまで作業

会場が閉鎖した後もしこしこ画面設計書をつくったり、アプリを作ったり、プレゼン資料を作ったりでチームメンバーで頑張りました。

一部の方は徹夜してもらっていましたが、徹夜はヤバイので私は4時間ぐらいは寝ました。

 

ユーザーアンケートチームはラブライブ!サンシャインの聖地 静岡県沼津へ・・

チームメンバー6名のうち2名には聖地巡礼のユーザーへアンケートすべく、今年もっとも熱い聖地巡礼が繰り広げられるであろう、静岡県沼津市へ行ってもらいました。

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東海道で東京から片道2時間、新幹線などで1時間の距離です。実は以外と近いです。

一人は泊りこみでユーザーアンケートをやってもらいました。(現地のファンの方、アンケートのご協力ありがとうございました。)

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  • ユーザーアンケートでは私達のチームが解決しようとしている問題はそもそもユーザーが問題として認識しているのか。
  • 私達が作ろうとしているプロダクトはユーザーに受け入れられるのか
  • 私達が作るプロダクトができたとして改善点はあるか
  • 聖地巡礼であったらいいと思うサービスはなにか

 

を中心に聞いてもらいました。

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 早朝の三の浦観光案内所(誰もいない)のレアショット・・。泊まり込みでアンケートしてくれたメンバーの努力のたまものです。

 

3日目

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早朝、SW運営から軽く話があります。

グラフはやる気グラフだそうです。

2日目の夜めちゃくちゃさがるものらしいです。(議論しまくった結果、最初に作りたいものからズレたりするので)

 

17:00 プレゼン開始 9チーム

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最終プレゼンは審査員の方3名で行われます。

 

 

 

 

各チームのプレゼンピックアップ

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優勝したアニメ電話のチームのプレゼン動画

やはりこういった短いプレゼンでは伝わりやすく面白いコンセプトムービーは大事だと思い参考になりました。

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うちのチームのスライドです

 
f:id:rakuda00:20160515193324j:plainf:id:rakuda00:20160515194336j:plain9チーム中、上位3チームが3,2,1で発表されます。残念ながら私のチームは上位に入れませんでしたが、懇親会で聞いたところ、そこそこいいところだったようです。ただしうちのチームメンバーは継続して開発したいという意欲が全員あったのでそこが一番の収穫だったと思っています。 
 

以下所感を書いておきます
 

実際にSWに参加した印象

  • 起業を目指している人ではなく、すでに起業している人、起業したけど会社を畳んだ人も多い
  • 学生もいる(ただし能力やパッションがあるわけでなく参加することで学ぼうとしている人が多い
  • スタートアップウィークエンドに初めて参加する人が圧倒的に多い

 

スタートアップウィークエンドここがよかった

  • エレベーターピッチから、MVP開発まで2〜3日間で実線して学べる
  • 他の人のアイディア、うまいプレゼン などが競いながら学べる
  • 2〜3日の間、全力を振り絞ってプロダクトに取り組める
  • MVP開発を短期間で学べるのは未経験者にとってはメリット
  • 審査員、アドバイザーがアニメ関係者だったので関わりが持てた
  • 最終プレゼンで審査員から質問や意見をいただける
  • 起業する時の擬似体験ができる
  • 起業仲間、コミュニティ仲間が増やせる

 

スタートアップウィークエンドここがよくないよ

  • MVPやユーザーストーリーマッピングなど開発プロセスを学んだ人がいないとわりとチーム崩壊する・・気がする
  • 値段の割にはご飯は普通
  • アイディアが保護されるわけではないので、共有資産となってしまう注意点
  • 優勝したら賞金が貰えるわけではなく、優勝=起業ではない

 


個人的に大事だと思ったこと

  • 初日のピッチに勝つか負けるかでその後が決まるためピッチの練習、投票の集め方の作戦は大事
  • 特に懇親会で仲良くなるか、予め仲間を連れて作成会議をしておくとGOOD
  • 土曜は徹夜したか→していない。3日目も大事なので寝たほうがよい。4時間は寝た
  • 月曜は休むべきか→日曜日打ち上げをしないなら帰って寝れば疲れはとれる
  • ただし一人暮らしの場合土日にやるべきタスク(洗濯、クリーニング引取、家の掃除)ができないので注意
  • 優勝を狙うのではなく、SWの先の開発を見据えたプロセスのほうが大事

 

 

優勝に必要なもの

  • MVP機能が備わった動くデモを見せる
  • コンセプトムービーでココロをつかむ
  • ハッカソン、スタートアップウィークエンドにして共通して言えることだが、最終結果をまたずとも、最初のピッチで「あそこはやばい」と思ったところは大抵優勝する
  • 開発プロセスにとらわれず作りたいものを作るのがベスト

 うちのチームがよかったところ

  • 現地にアンケートをした
  • 聖地学に詳しい人がいた
  • ファシリテーターがいた

うちのチームがよくなかったところ

  • プレゼンで時間が足りずデモできなかった
  • デモできたとしてもデモは画面遷移しかないのでMVPとしては不足していた
  • MVPをもっと機能を絞るべきだった
  • 市場調査が足りていなかった
  • 最初の資金回収をきちんと設計できていなかった
  • 聖地巡礼サービスで地図を配るならその地方の人とのネゴまでとっておくべきだった

他のチームが優れていたところ

  • 審査員にヒアリングして相談していた
  • 動画デモ
  • MVPを順守したデモを作っていたところ  

 

スタートアップウィークエンドですが今度は6月3日に東工大で「科学技術とビジネスの出会いで世界を変える!」をテーマに開催

swtokyo.doorkeeper.jp

 

 

そして7月にはなんと沼津!でノンテーマでやるそうです。

startupweekendnumazu.doorkeeper.jp

 

 

ノンテーマといいつつ、沼津といえばラブライブ!サンシャイン、ラブライブ!サンシャインと言えば沼津。

となっている昨今、7月にはラブライブ!サンシャインのアニメも放送されるわけで、おそらくはラブライブ!や聖地巡歴系のサービスがガバガバでる予感しかしません。

ラブライバーで起業を目指してる方は是非参加してみてはいかがでしょうか。

 

 

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ラブライブ!サンシャイン!! Official Web Site